見積もりを知ろう その1

みなさん、こんにちは。Dr.テトランです。

半年ぶりのエントリとなりましたが、4月に入って建設業にも多くの新入社員が入社し、見積もり業務に携わることになり、「見積もりって何だ?」と思わる方もいるかと思います。

そこで今回から趣向を代えて、弊社の新人S君に見積もりについてレクチャーを行いますので、みなさんも一緒に理解を深めていただけたら幸いです。

 

 

自己紹介:新人S君 今春入社した期待のホープ。趣味はゲーム

 

 

「どもっ、新人Sです」

 

「やあ。初々しいね。ところで、S君、和田特機は何のソフトウェア作っているか知っているかい?」

「見積もり業務と聞いています」

 

「そう。見積もりだね。では、見積もりと言ったら何を思い浮かべる?」

 

「そうですねえ・・・この就職を期に引っ越しをしたのですが、その前に業者から見積もりをとりました」

 

「うん、そうだね。引っ越しなどのサービス、車などのモノを購入する前には見積もりをとったりするよね。要は売買契約する前に、金額を算出することを見積と言って、それを書面化したものを見積書と言うんだ」

 

「はい」

 

「見積書には金額だけでなく、数量や期間、行動も書面化して、最終的に売買の合意を形成するための証となるんだよ」

 

「はい」

 

「ここでクイズだ!建設業の見積もりと車のようなモノの見積もりと大きく違う点があるんだ。それは何かわかるかい?」

 

「わかりません(キリッ」

 

「コラッ!即答でわかりませんじゃない!もうちょっと考えなさい」

 

「は~い」

 

「ったく・・・」

 

「う~ん、扱う金額が大きい・・・ですか?」

 

「うん、それもあるね。それと、一般消費材は定価というものが存在して、定価に対する見積金額だけど、建設業が作る建物は一物一価といって、該当する敷地の中にどんな大きさの建物を建てるのか?によって金額が異なるんだ」

 

「なるほど、同じ敷地面積に、同じ目的のビルを建てることは無いですものね」

 

「そうなんだ。だからまず始めに、条件にもとづいた設計図を作成し、それを元に建物や設備の工事の価格を算出するんだ」

 

「はい」

 

「さらにややこしいのは大きく分けて、設計図、施工図、竣工図という図面があるんだ」

 

「でも設計図をみて見積もればいいんでしょ?」

 

「設計図にはすべての部位に"寸法"が入ってない!施工図で全ての部位に対して"寸法"が入るんだ」

 

「ヒェー!"寸法"なしで、見積もるのですか?」

 

「設計図は、設計者がお客様のニーズに合わせる基本計画に基づいて、法令を順守しつつ確認申請を受け、デザインや仕様を決めるための図面なんだ。で、施工図は実際に設計図では描ききれない内容を、工事をする人が理解できるように作成される図面の事をいうんだ」

 

「じゃあ、施工図も見て見積もればいいんですね!」

 

「うん。ただね、工種によっても違って、 建築工事では設計段階で細部まで詳細な図面を作図しておらず、施工段階で施工図を作図するんだ。で、設備工事では、設計図を元に作られた設計図書(実施設計図(意匠に関する情報)、構造図(構造計算の情報)、設備図(電気設備、空調設備、衛生設備の情報)を 見て、見積書を作成するんだ」

 

「もう訳がわかりませ~ん」

 

「さらに、もう一つ問題が出てくる。実は、最初に見積もった金額と完成した建物にかかった金額が必ずしも一致しないんだ」

 

「???ちょっと何言っているかわかんないッス」

 

「コラッ!ボケなくてもいい!」

 

(ショボーン)

 

「建物を建てるのは年単位の仕事なんだ。その間に資材が高騰したり、設計図の不備で、余計な工事が発生したりと、想定しえない事象で工事金額が膨らんだりするんだ。仮にS君が車を購入して、納車されるまでに当初決定した購入金額が上がったらどうだろう?」

 

「そんなの嫌ですよ」

 

「そうだろう。建物が完成してみたら金額が増えましたと言ったところで、おいそれと依頼主が払ってくれるわけではない。だから、いろんなことを想定しつつ、いかに正確で赤字とならない見積金額を算出するかが見積業務に携わる人々にとっての至上命題なんだ」

 

「大変そう~」

 

「我々はそのお手伝いをするソフトウェア作っているんだよ」

 

 

今回のまとめ

1.見積の目的 

(1)見積りとは(何の為に見積るのか?)

  • 金額・量・期間・行動を前もって概算して、それらを書面にしたものを見積書と呼ぶ。
  • 建設業においての見積書は、「設計図(仕様書)に記された建物や設備の工事を正しく行うための価格を算出する」ことをいう。

(2)見積書の意味合い!

  • 契約において、その工事をするためにどれくらいの価格、期間になるかを計上して、依頼主に提出。
  • 依頼する側は「見積を取る」、依頼される側は「見積を出す」と表現。発注する側は予算を準備する必要があり、適正な相場で購入する為には市場価格の指針も必要。
  • その為、契約の前に工事業者へ価格を算出させ、検討の資料としたり、発注の判断を下すために必要なものが見積書である。

(3)建設業における見積業務!

  • 仕入値に利益を上乗せするだけの見積もあるが、建設業においては見積作成に膨大な労力を伴う。
  • 見積作成業務そのものの対価(中規模の案件でも数百万掛かる)は、依頼者に請求できない場合が多い。
  • 見積書はあくまでも実際に仕事を請ける前の段階での価格であるため、仕事を遂行する上で価格が変動することもありうるため、請求書の金額は必ずしも一 致しない。

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