二週間のご無沙汰でした。SALです。
前回、各標本点を通る解析関数が無数にあると言いましたが、もう少し立ち入って見ましょう。
簡単のため元の信号を振幅が1で角周波数がωの単振動とします。
つまり、sin(ω・t) です。
この信号を標本化周波数 fs で標本化します。
当然ながら、sin(ω・t) は、これら総ての標本点群を通りますが、
±sin{(n・ωs±ω)・t} …(複号同順)
も、同様に総ての標本点群を通ります。(証明は、ソフトウェアDACの付録1参照のこと)
ここで、n は任意の自然数、ωsは標本化の角周波数(2π・fs)です。
これらは、標本点が時間に関して不連続なために生じた結果で、元の信号に対して、エイリアス(Alias)と呼びます。
つまり、色々な繋ぎ方があるのは、目的の信号と無数に存在するエイリアスの混合の仕方に他なりません。
逆に、あるDACでアナログ波形を得るということは、この混合比を決定するということです。
勿論理想は、元の信号が1で、総てのエイリアスがゼロです。
前回の fs/12 で、各標本点を直線で繋いだ線と元の波形との差は、それほどでもないと思われた方もあるかもしれません。
しかしながら、差が見えるということは、1ドット以上(隙間があれば2ドット以上)の差があるわけで、
これは誤差が1%(2%)以上あることを示しており、オーディオと言う範疇では、問題です。
しかも、周波数が高くなればこの誤差は益々大きくなってしまいます。

上図は、fs/3 の場合です。
そこで、この周波数依存性を、簡単に考察してみましょう。
折れ線で繋ぐということは、ソフトウェアDACでも紹介したP02アップサンプリングを、無限に繰り返すことに相当します。
(階段状のままならP01の繰り返しですが、位相がずれていくので単純に振幅の積算にはなりません)

上図は、そこで発表したP02のS-A図です。
最初の一回分だけでも、目的の信号部分が削り取られてエイリアスになってしまう様子がお分かりいただけると思います。
このようなスペクトルから、信号部分だけをフラットに戻して取り出すアナログフィルタがあると思いますか?
例え、理想に近いフィルタを作ったとしても、位相はどうでしょうか?
これを解決するには、原点に戻って、誤差の少ないトレースをDACで実現するしかありません。
つまり、エイリアスの多いアナログ化をしてからでは、遅いのです。
追伸:報告するのを忘れていました!
以前LEOさんが報告しているように、3月2日以来、Windows8(CP版) で弊社開発アプリの動作テストを行っています。
SALも二台の検証機にインストールして、ついでにWFPの動作テスト&息抜き時の鑑賞用としています。
1.AthlonX2 + 4GB/RAM + Win8(64bit) + Ph社DDC/USB(内蔵ドライバ) + Ki社DAC + 例のヘッドホンシステム
2.PentiumD + 3GB/RAM + Win8(32bit) + Ra社DAC/USB(専用ドライバ) + Ac社プリ + Ya社メイン + Ki社低能率SP
両機共、折角付いた 24bit/88.2KHz 共有モードなので、WFP4ExpはP40アップサンプリングを主に使用しています。
本来が商用アプリのテスト用なので、OSのチューニングは行っておりませんし、PCのパフォーマンスも低レベルです。
(テスト目的なので、デフラグはスケジュールしておりません)
また、オーディオ装置も、「社内への持ち込み品」のレベルです。
で、肝心の音質ですが、(SALの耳では)問題ないレベルだと判断しています。
但し、メンテナンス実行中は流石にNGなので、ウォーミングアップ時に済ませておくと良いでしょう。


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