カテゴリー

入浴と読書とiPadと・・・

こんにちはLEOです。かなり久しぶりの投稿となりますが、しっかり生きながらえております^^

さて、2012年も1ヶ月を過ぎましたが、普段三日坊主で終わってしまう私が今年になってから1日も欠かしたことが無い事があります。

それは、入浴しながらの読書です。

だいたい45分~1時間程度湯船に浸かりながら、本を読みます。

最初は、湯気で本がダメになるので、浴室へ持ち込むのに抵抗があったのですが、

「本は使ってなんぼ、実用重視!ダメになったらまた買えばいい」と割り切って、持ち込んでみました。

すると、どうでしょう。当初心配していた湯気で本がダメになることはありませんでした。もちろん、適度な換気は必要ですが。

 

このようにいい感じに読書ライフを送ってきたのですが、最近、ひとつ不満に思うことが出てきました。

それは、本を読んでいると、書いてある事柄に関連のある事や、知らない事、言葉などに出くわした時に、

すぐに調べたくなるのですが、入浴中だとそれが出来ないのです。

調べたい事が出てきたら、とりあえず憶えておいて、風呂から出た時に調べようとしたのですが、悲しいかな、年のせいで調べたい事を忘れてしまうのです。

もっとも、メモを持ち込むとか方法はあるのでしょうが、気になることはすぐ調べたくなってしまいます。

そこで、本だけでなくiPadを持ち込むアイデアを思いつきました。iPadなら知らない事が出てきた時、すぐにネットで調べることが可能ですし。

とりあえず、そういう馬鹿な思い付きをする人がいないか、ネットで検索したところ、いるわ、いるわ、同じ事を考えていたご同輩が^^

方法は二通りあって、リーズナブルに済まそうと思えば、キッチン用品のジップロックで代用する。もうひとつは専用の防水ケースを購入する事です。

 

防水する手段はさておき、ひとつ心配なのは、iPadを浴室に持ち込んだら、読書どころか、ついついネットをやってしまわないかという事です。

入浴中にもネットなど、ネットジャンキーの末期症状だとも思えますので、少し抵抗感があるのが正直な気持ちです。

私の友人で、入浴中にネットをしたいがために防水仕様のスマートフォンに乗り換えた強者もおりますが・・・。

しばらくは悩みが続きそうです。

MP900431665

方便と嘘は違います

二週間のご無沙汰でした。SALです。

現在は、Hybrid2S が何故良い近似を与えるのか、数理に基づく解析を試みていますが、あまり芳しくありません。
フィルタの透過範囲(-fs/2~fs/2)を僅かに狭め、その差分周波数を微小パラメータにとると興味深い係数が現れたりしますが、まだまだ五里霧中といった段階です。

話は変わりますが、1月12日の東京出張の帰りに、K’sさんが買った某技術系の雑誌を見せてもらいました。
理由は、「USBデバイスをターゲットにしたPCオーディオ特集」が組まれていたからです。
良かったらSALも買おうかと思ったのですが、DACの説明部分を読んで萎えてしまいました。

理由は、説明に使っていた変換対象のデジタルデータが、標本点間で1しか違っていなかったためです。
念のために言っておきますが、(1bit)DSDの説明ではありません!
確かに、動作原理は簡潔さを求められるので、「方便!」のつもりかもしれませんが、
次のステップ(標本点)までに、1単位(分解能ぎりぎり)しか変化しないのでは、繋ぎ方は完全にネグられます。
結果、オーディオソースとしての未解決問題を見過ごしてしまいます。

実際CDのPCMデータは、数千つまり3~4桁のオーダーで変化します。
16ビットでこれですから24ビットなら6桁の変化は当たり前です。
サンプリング周波数を4倍にしても、1桁も下がりません。(10倍でやっと一桁です)

お好みのソースがどれくらいか知りたければ、Gradient.exe が提供する MaxGradient の値が参考になります。
但し表現は32ビット16進表記ですから、16ビット換算する場合は、下二桁を無視してください。
例えば、0x00635d79 ならば、635d を関数電卓で10進表示で見てください。
結果は、驚きの 25437 です。(最近のCDでは、おとなしい方かも)
場合によっては、符号付16ビットの最大値 32767 を超える場合もありえます。
(最大傾きは、原理的に最大振幅のπ(≒3.14)倍までありえます。)
但し、この値は瞬間最大値であり、隣までの平均値でもないので、仮に半分の 12718 にしても4桁を超えています。
くどいようですが、次の標本点までの変化を1としたのでは、途中のアナログ値のでたらめさを隠蔽してしまうのです。
(上記のデータの最大変化量を1にしたかったら標本化周波数を更に25437倍しなければなりません)

SALは、新聞なども含めて書籍の信頼度を測るのに、自分の得意分野の説明や論理を参考にします。
明らかな間違いや、単なる言葉の遊びに終始しているものは論外です。(意外と多い)
そうではなくても、以下のようなことには注意が必要です。
“複雑な現実をそのまま扱うことは不可能なので、通常は本質ではないと思われるファクタを取り除きなるべく単純化します。
このモデル化が、嘘(間違い)か方便(適切)かは、自己無矛盾性とネグった影響の大きさが試金石になります。”

先の例では、最大振幅が 11025 の入力を仮定した場合、ゼロからその値に到達するのに少なくとも 11025 標本点を要します。
此処までで1/4周期ですから、一周期に必要な標本点は 44100 個となり、サンプリング周波数が 44.1KHz なら、1秒の周期になります。
最早、「音」ですらありません。

ミュージシャンと・・・

予定通りミュージシャンの皆さんと録音のコンセプトについて打ち合わせを行った。
K’sのシステムの中でミュージシャンにとってPA装置に近く馴染み深いと思われる、3Wayスピーカーシステム(TAD TL-1601a ウーハー×2、JBL 2450J コンプレッションドライバー+ウッドホーン、JBL 2405 トゥイーター)を、チャンネルデバイダー系由で、50WのA級アンプ×3台のマルチアンプシステムでドライブして、マスター音源を6~7曲聴いていただいた。
勿論、ジャズのインストルメンタルとボーカルものです。

聴き始めた途端にミュージシャンの目が輝き(耳がダンボになり)、録音という行為に対して成果物である音源のクォリティーについて、「半ば諦めていたことが、本当は可能である」ということに確信をもっていただけたようです。「良い作品を作りたい」ということに全員のベクトルが一致して気合が入り、そういった意味で良いキックオフになりました。

オーディオの醍醐味を体感していただいた音源は、K’sがミックスとマスタリングを行った比較的ダイナミクスの大きなPCM24bit/96KHzのWAVファイルです。それでも有効ダイナミックレンジは50dB程度なのです。
K’sが言いたいのは、録音や編集の時は24bitもしくは32bit(フローティング)必要ですが、「再生のことだけを考えた場合は16bitで充分ではないか?」と言うことです。
すなわち、「24bit/96KHzで録音した場合は、16bit/48KHzを聴くための(正しくはD/Aコンバータに渡す)音源にしてはどうか?」と考えます。
この場合、ソフトウェアDACで前処理して16bit/48KHzにしても良いし、予め、傾きデータ入りの16bit/48KHzWAVEファイルを作っておいても良いと思います。

今更なぜ、低スペックの16bit/48KHzや16bit/44.1KHzにするかと言うと、「市販の音源に24bitを有効につかっているダイナミックレンジの大きなものは殆どない」ということと、「現在の半導体技術で本当にハイレゾリューションの音源を正確にD/A変換できているのか?」ということに疑問を持っているからです。
要するに「正確にD/A変換するには、逆に低スペックの方が有利である」と言うことです。
ここら辺のことを、音源制作から再生までを通して、SALさんと一緒に、色々実験していきたいと考えます。

それには、まず、良い音源を作らなければなりませんが、K’sはピアノの録音で悩んでいます。マルチマイクで録りますが、ベースやドラムは今までも思い通りに録れております。
ピアノは、「音色を優先に録るか? 位相を揃えてとるか?」、「リッドに反射した音を中心に少し離して録るか?、弦やハンマーの音を中心に近接で録るか?」これらは、両立しないようなので困ります。
少し安易な考えですが、マイクをピアノに6本割り当てて、両方のスタイルで録っておこうと考えています。

2012年オーディオの目標

K’sです。

今回は、今年やりたいオーディオのことです。
オーディオの目標を検討するうえで、K’sの場合はリスニング環境がボトルネックになります。
リスニングルームは防音対策(2重の窓、壁、天井)を施しましたが、ドアのほか換気装置やエアコンは一般住宅向け製品のままなので、スタジオのように完全な遮音ではありません。
比較的静かな環境ですが30~35dBの暗騒音があります。
また、集合住宅なので近隣に迷惑をかけないように大きな音が出すのは難しい状況です。
したがって、再生可能な最大音圧レベルは瞬時で105~110dBが精一杯といったところです。

このような環境のなかで目標としては、システム全体で「ダイナミックレンジ80dB以上」、「リスニングポジションでの周波数特性40~18000Hz ±4dB以内」の再生ができるオーディオ装置の構築を目指します。  これを実現するのは結構難しいですが、目標は「ちょっと背伸びしないと達成できない位」が良いと考えます。

まずは、上流から詰めていかなければなりませんが、K’sはこの目標に相応しいダイナミクスの大きな音源を持っていません。

実は、昨年11月から、新しい手法でのミックスとマスタリングの実験に明け暮れており、年末年始はミックス&マスタリング三昧の毎日でした。
なんとか自分で納得できる24bit/96KHzの音源(最終的にはWFPで16bit/48KHzにしてDACに渡す?)が作れる、明かりが見えてきたのですが、大きなダイナミックレンジは思ったように確保できません。
いろいろ工夫して有効ダイナミックレンジ70dB程度は稼げるようになりましたが、このような音源を一般的なオーディオ装置で再生しても、とても聴けた音ではありません。(通常のCDからリッピングした音源は有効ダイナミックレンジを30~40dB程度に圧縮したのものが多く、そのような音源を聴くことに慣れ親しんでいます)
K’sは、そういった意味での「一般的な再生装置で聴くことを考慮しない、生音に近い大きなダイナミクスを持った音源作り」から挑戦したいと思います。
このような馬鹿げた実験ができるのも、趣味ならではの良いところで、商業ベースでは考えることすら不可能なことです。

また、その音源が持っているポテンシャルを十分活かすことができる再生装置を1年掛けて構築していこうと思いますが、幸い新規に購入するものは無いので「やる気をいかに持続させるか」だけです。
この再生装置側のことは、今後ブログで何回かに分けて発表していきたいと思います。

3月には東京で、オーディオの仲間を交えて、ジャズピアノトリオ+ボーカルの録音を行います。

今日はミュージシャンとその打ち合わせですが、まずはダイナミクスの大きな音源を聴いてもらい、オーディオの醍醐味を体感していただき「気合を入れてもらおう」と企んでおります。

(1月25日に青文字部分を加筆修正)

 

CPUと待ち時間

二週間のご無沙汰でした。SALです。

年明け第一回目の「ヘッドホンアンプ考」の最後で「-12dB のバーゲイン」と表現しましたが、これはパワーアンプの増幅率(電圧比率)への補正を表わしたものです。
本文の論旨からいけば、電力回路の減衰器なので、単体での電力伝達率として表現すべきでした。
その場合は、負荷インピーダンスに依存しますので、
取り敢えず、64Ωで近似すると、更に -9dB 食われ、大体 -21dB ぐらいです。
8ΩSPドライブに対して、ミュートSW入り(-20dB)程度と思っていただければ結構かと思います。

話は変わりますが、最近頂いたお便りの中に「CPUを替えると待ち時間の改善ができますか?」といった旨のものが有りました。
P44及びリサンプリングは、倍精度浮動小数点演算を多用するので、かなり時間を食いますが、逆に言えば演算能力による影響も大です。
(P40は傾きチャンクを利用することで、残りの計算時間はP21~P36と同程度になります。)
実際どの程度の依存性があるかを見る為に、「CDデータを、192KHz にリサンプリングする」場合の待ち時間を測定しました。
また、内蔵の傾き算出時間は、Matrix24 を使った値です。
使ったCPUは、①Core i7(920:7.4/7.4)、②Core2 Quad(Q9400:7.2/7.2)、③PentiumD(945:5.1/5.3) の三つです。
OSは何れも Windows7 で、カッコ内のコロン以降の数値は、CPUとメモリーの評価サブスコアです。
楽曲ファイルの長さは、14:13(853sec.) です。
また、初回は実際のメディアからの読み出し時間という不確定な要素が追加されるので、二回目以降にしました。
(精度の悪い測定法ですが、複数回で同じ結果でした)

結果(時計を使った目視計測なので、秒単位です)
① 傾きチャンク1秒:傾き算出なら9秒:リサンプリング22秒
② 傾きチャンク1秒:傾き算出なら12秒:リサンプリング34秒
③ 傾きチャンク1秒:傾き算出なら20秒:リサンプリング52秒

「改善」と言うからには半分以下にならなければなりません。
③→① であれば、53秒が23秒(傾きチャンク無しで、72→31)なので、
「効果有り」としても良さそうですが、③が現役の可能性は低いと思います。
但し、①も今となっては古々タイプなので、最新CPUならば結構良い値が期待できそうです。

WFP4Exp側もマルチコアを生かしていないので、その為だけでCPUを替えることはお勧めできません。
もし買い換える場合には、実際のパフォーマンスを比較してから決めると良いでしょう。
(もし Atom 系からの変更であれば、効果は絶大ですが…)

結論:
当然、効果は有ります。
しかしながら、コストに見合っているかは、総ての面でケースバイケースでしょう。

古いOSに於ける不具合の対応

今日は、SALです。
お正月に楽曲ファイルを整理していて、以前報告した不具合の「読み出し」版に遭遇しましたので、対応できるように修正しました。
今回は、読み出し側なので、WFP4Exp gradient BindWavs Hybrid2S の四つが該当します。
古いOS(Ver.5.2以前)でファイルサーバを利用する場合は、更新してください。

これとは別に「一時間半ほど連続再生していると音が途切れるようになる」と言う不具合報告が有ったので、
複数のPCで、24時間耐久レースじゃなかったテストを行いましたが、症状は現れませんでした。
SALの記憶では、USBデバイス用の標準ドライバを使った時に、似たような症状を経験しています。

WFP4Exp は、アプリ側でジッタを増やさないよう、ドライバを通常とは違った風に使っています。
従って、それに耐えられないドライバがあるのかもしれません。
報告された症状は、あたかもMS得意のガーベージコレクションが働いているようにも見えます。
(再生中にやっちゃいけないことですがね…)
WFP4Exp再起動(プロセスを一度ごわさんにする)で対処できることなら、対策法も有りそうなのですが、
「OSリブートが必要」となると、残念ながらアプリ側では対処不可能と考えます。
(WFP4Exp は、再生中はメモリアロケーションどころか、UIのイベント処理以外何も行いません)

ヘッドホンアンプ考

新年のご挨拶を申し上げます。SALです。

年明け第一回目の今回は100%アナログデバイスの話をします。
SALは一年前より、社内での音質比較の装置として、ヘッドホンも併用しています。
最初は、プリアンプ(C-200L)のヘッドホン出力を利用していましたが、一工夫することにしました。

むか~し昔 試行錯誤の末に完成させた、全段コンプリメンタリA級PAの現代版を作ろうかと計画を立てましたが、
長い間ソフトウェア一本で生計を立てている内に、すっかり体と心が鈍ったせいか、気力が湧きませんでした。
そんな時目にとまったのが、部屋の片隅で眠っていた 12AU7(SRPP)ドライブのKT88シングルアンプでした。
「そんなおもちゃどうする気?」と言う声が聞こえてきそうですが、騙されたと思ってSALのアイデアを聞いてください。

A級なのは良しとしても、出力レベル(残留ノイズも含む)と負荷側からみた高インピーダンスは困りものです。
しかしながら、この困りものを逆手に取る方法があります。
アンプ-ヘッドホン間に、純粋な抵抗のT型のアッテネータを挿入します。
(負荷インピーダンス、減衰率、DF を、三つの抵抗値で調整できます)
(勿論、抵抗値が非負の範囲でですが…)
現在は、6Ωと2Ωの抵抗を直列にしてSP端子に繋ぎ、2Ω側からパラレルにヘッドホンを繋いだ状態(6-2-0)です。
オーバーオールのNFBは掛けません。
これは、アンプ側のインピーダンスを高くする為でもあります。
ヘッドホンのインピーダンス(66)も、2Ωより充分高いので、計算上双方を無視します。
結果、アンプからは8Ωの純抵抗が負荷になっておりますが、ヘッドホン側からは2Ωの純抵抗が見える筈です。
大事な点は二つです。
① アンプの負荷が、ほぼ8Ωの純抵抗と一定している。
② ヘッドホンに対するダンパーが純抵抗でSALには適度なダンピングファクタである。
特に、②の「パッシブダンパー」は重要です。
半導体アンプの台頭以来、アンプ出力の低インピーダンス化が進みましたが、何れもNFB(ダーリントンも含む)による「アクティブダンパー」です。
一時は、「負のインピーダンス」を謳ったきわものまで出現したことがあります。
互いに相手が、周波数依存性の無い純粋抵抗に見えることの大切さは、デバイス別に動作原理を考えればお解り頂けると思います。

また、このダンパー回路は -12dB のバーゲイン(所謂バーゲン!)を持ち、残留ノイズの低減にも貢献しています。
アンプ本体の改造としては、B電源のチョーク出口の静電容量を4倍にして、ハムの低減とB電源ON時のショックを抹消しています。
それと、最近全球新品(といっても中国製)に交換しました。

後書
どの球も、指で弾くと結構大きな音を出します。
ヘッドホン用なので良いですが、SPだと無視できない影響かもしれません。

2012年が良い年になりますように・・・

今年は東日本大震災や原発事故の直接ならびに間接的被害で厳しい年になりました。
被災地の皆様の物凄い気力には頭がさがりますが、復興はまだまだで、長期間かかると思われるので、私たちに出来る範囲での継続的な支援こそが大切であると考えます。

Ks’にとっては、今年も多くの新しい出会いがあり、充実した年でした。
仕事は勿論、趣味の分野でも多くの方々にお世話になり感謝の気持ちで一杯です。
特にオーディオに関しては、各プロフェッショナルの皆様に技術的なことをお教えいただいたり、アドバイスをいただき、有難うございました。

今年のプライベートな目標のうち、音楽関連の目標(SACD制作やライブなど)はすべて達成できましたが、オーディオは目標を定めてなかったこともあり、大きな進化はありませんでした。

そんな中で、Ks’がオーディオ面で強く感じたことは、PCオーディオの普及は嬉しいのですが、音質評価の際に、再生楽曲、再生ソフト、サウンドデバイスの3つが明確に切り分けされてない状態での評価が多く、Bye Bye Blackbird的な考えに偏っていたこと。
さらには、DA変換を含め、それ以降のオーディオの本質的なパートを抜きで議論されていることが多いのが、残念でなりませんでした。
一番がっかりしたのは、某メーカーの宣伝用技術解説でした。
メーカーなので売ることに全力を尽くすことは当然ですが、「明らかに間違った(実現不可能な)ことを、さも本当の(実現できた)ように書くべきでない!」と思うのはKs’だけでしょうか?

趣味なので、色々な考えがあって良い訳ですが、現実のデジタルオーディオを見据えて、何処にボトルネックがあるのかを考えてみると、Ks’は「DACのリアルタイム処理で出来ることの限界」と「プリアンプ以降スピーカ迄のアナログ領域で確保できる過渡応答とDレンジ」の2点だと思います。

来年はシステム全体でこのボトルネックを解消、もしくは緩和する方法を模索し、目標を掲げて研究してみたいと思います。

では、2012年が皆様にとって、良い年になりますように・・・

一風変わった実験とアップデートのお知らせ

二週間のご無沙汰でした。SALです。
ようやくHybrid2S による傾きチャンク関係のアップデートを公開する準備ができました。

ところで、「傾きチャンクを利用してみたが、ファイルが大きくなるだけで変わらないようだが…!」
と言った感想をうかがう事があります。申し訳ないですが、今回アップデート分の Hybrid2S で今一度試してみてください。
それでも、同じと感じた方は、怒らないで読んでいただきたいのですが、実はSALの狙いもそこにあります。

つまり、誤差が 0.02% 程度から 0.001%以下になったところで、その違いは非常に判りにくいものです。
また、別の箇所にボトルネックがあれば、それこそ論外でしょう。
お気に入りのソースや、超高域成分の多いもの以外は、内蔵の傾き算出(Matrix16)機能で充分でしょう。
Hybrid2S の価値は、最終目標の傾き算出と見なせそうな点にあります。
現状では「そこまで精度を上げる必要はなさそうだ」と思ってもかまいません。
とは言っても、多少の不満もあるかと思いますので、新しい WFP4Exp.exe には、Matrix24 と Hybrid64 も内蔵させました。
新しく加わった Hybrid64 は、Hybrid2S の簡易版で128近傍から算出します。
但し、前処理時間は Mtx16→Mtx24→Hyb64 の順に長くなります。

此処からは、表題の「一風変わった実験」に移ります。
「Hybrid2S の効果が自分では聴感上判らない。」と言っているくせに、精度が良いと何故言えるのでしょうか?
「位相のずれも無く、誤差も非常に小さい」と言っても定常波での計算値に過ぎません。
非定常部分こそが調(定常波では単なる発振器)な訳ですから、どうしても聴いて判断できなければ、断定できません。

今、よく似たソースAとA’が有ったとします。
AとA’を聴き比べるのが困難でも、A-A’は「聞こえるか否か」なので、それこそSALでも判ります。
そこで、Hybrid2S 伝播関数を利用した、評価用アップサンプラー④に、
同じ技術でエイリアス部分(CDなら22.05~44.1KHz)のみに顕在化する「エイリアスモード」も、導入しました。

このモードで作成したWAVファイルを、混変調の無い装置で聴けば、アップサンプリングでの誤差(残差)だけが聞こえるはずです。
勿論、22.05KHz 以上の音が聞こえる人にはNGです。幸い、年寄りのSALには聞こえません。
結果、スーパートウィーターのマージンを見込んだ程度の出力レベルでは、何も聞こえませんでした。
(ヘッドホンでも同様でしたが、ヘッドホンの場合ボリュームを上げるのはちょっと勇気が要りました。)
つまり実際の楽曲に於いても、Hybrid2S から生じる誤差は、非可聴レベル程に低いと言えそうです。

最後に、リリース内容の概略を記します。
今回のアップデートは、以下の四つです。(他は同じ)
① 内蔵傾き算出プロシージャに、Matrix24 と Hybrid64 を追加した WFP4Exp.exe
② 上記プロシージャの切り替えを可能にする為の設定ソフト Reg4Exp.exe
③ Hybrid2S を組み込んだ傾きチャンク埋め込みソフト Gradient.exe
④ Hybrid2S 技術によるアップサンプラー Hybrid2S.exe
です。但し④のエイリアスモードは、封印しました。(解除する呪文はありません)
これは、不慮の事故を防ぐ為と、ビットデップスを16bitに限定したこととも合わせて、
「健全なPCオーディオの世界を目指す」者の一員としての配慮ですので、お許しください。

肝心のリリース時期ですが、12月22日(木)を予定しています。

エイリアスと歪について

二週間のご無沙汰でした。SALです。
今回は、「波形・音色・歪」の続編として、エイリアスに対して同様の考察をしてみたいと思います。

エイリアスが生まれる原因は、時間的離散データを連続に変換する場合の補間誤差です。
標本点の値がどんなに正確でも、補間に誤りがあれば生じてしまうことに注意してください。
前回の結果を利用する為に、DACが線形の装置か否かを考えて見ましょう。

先ず、標本点での値はビット分解能の範囲で、当然比例しているはずです。でなければ不良品です。
後は、途中の(補間)値が結果として、利用した標本値総てに対して線形であれば、線形の装置と解釈できます。
勿論、SALの考案したソフトウェアDACも傾き算出法も総て線形です。

では、これを以って「エイリアスは歪ではない」と言えるでしょうか?
前回の①式 Out(ω)=G(ω)・In(ω) を思い出してください。
歪を生じない伝播経路では、シングルトーン(単音)は、増幅度G(ω)こそ違え出力も同じ単音です。
しかしながら、エイリアスは ωs±ω、2・ωs±ω、…..
と、異なる角周波数で無数に生じます。(ωs は標本化角周波数)

線形であるにも拘らず、このように余分な成分(エイリアス達)を生じた原因は、
DACの入力が、時間的に離散量であるにも拘らず、A/D変換前のアナログの単音を理想入力としているからです。
この理想入力を In(ω) とする限り、理想のADC~現実のDAC迄のパスは前回の①式を満足しません。
即ち、エイリアスは歪であり、これを高調波や混変調と区別して「エイリアシング歪」と呼びます。
逆に、正確なソフトウェアDACのみが、G(ω)を実定数に(つまり波形そのものを)保ちます。

CD再生時にこの歪は、可聴帯域外として単にアナログフィルタ処理されています。
(fs=44.1KHz なら、エイリアスは 22.05KHz 以上です)
また、全成分の和が標本値を示すわけですから、全エイリアスに食われた分だけ、信号成分の振幅は変化します。
勿論この変化は、補間の誤差から生ずるものなので、それに見合った独特のトーンを付けてしまいます。
この色付けからの復帰も、後続のアナログフィルタの仕事です。
しかしながら、過去の値しか利用できないプリミティブな素子で構成したアナログフィルタには荷が重過ぎます。
(最初のエイリアス区間ですら1オクターブしかありません)

諺にも「エイリアスは発生源から絶たなきゃ駄目」とあります。(ウソ)
アップサンプリング機能を持ったDACの狙いはそこだとは思いますが、大事なのは精度の高い補間機能です。
中間点を入れるだけでも効果的ですが、その精度が問題です。
近傍2点の平均値(P02)や近傍四点からの三次補正(P08)程度では、「エイリアス除去」とは言えません。
やはり、ソフトウェアDACのように補間曲線そのものを高精度に算出&トレースするべきです。

最後に、現実のADCに於けるエイリアシング歪について述べてみたいと思います。
アナログソースに標本化周波数の半分以上の成分が含まれていると、そのエイリアスはシグナル帯域側に現れます。
これは、再生時に比べると遥かに困った問題ですが、再生時に除去することは最早不可能です。
CDを作る場合、アナログレベルで 22.05KHz 以上を可聴帯域に影響せずにカットすることは不可能なので、
遥かに高いサンプリング周波数(ソースに含まれる最高周波数の2倍以上)でA/D変換することになります。
一度デジタル化してしまえば、後は処理時間さえ惜しまなければ、22.05KHz 以上をシャープにカットできます。
但し、楽曲データは定常波ではないので、「内容に影響せず」とは断言できません。
しかも、再生時のマージンを考えれば、もっと手前でカットしなければいけません。